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2010年10月 アーカイブ

紙メディアと情報メディア

さて、それでは今後の紙需要はどうなるでしょうか。


答えはそれらの理由の延長線上にあります。


「パソコンが家庭に普及して紙の個人需要が拡大する」と、富士ゼロックスオフィスサプライの大野課長は予想します。


家庭の情報化は、情報の受信者を発信者に変ぼうさせます。


それは通信とは限りません。


パソコンのワープロ、編集機能を生かした紙メディアの作成も容易になるのです。


その兆しはタウン誌に表れています。


日本電信電話(NTT)が主催する全国タウン誌フェスティバルの応募数は94年の586誌が、95年には6百45誌に増加。


「採算は厳しいが、自分のメッセージを伝えたい気持ちが強い」と、板野NTT業務部販売担当課長は言います。


「コミックを含めた広義の自費出版はすでに年間10万点を超え、確実に増える傾向にある」(自費出版図書館の伊藤館長)ことから見ても、個人の情報発信意欲は高まっており、家庭の情報化が紙需要を増やす方向に働く可能性は大きいのです。

紙メディアと情報メディア 2

オフィスでは今後、紙の使用量が減るとの見方が支配的です。


日本能率協会コンサルティングの高橋チーフ・コンサルタントは「紙を出さないワークスタイルへの転換が進む」と予想します。


高橋氏は、


「96年度中に上場企業の約半分はパソコン1人1台体制が確立する」と見ており、紙を減らす条件が整うといいます。


紙の欠点は、保管がやっかいなことや検索性がないことですが、大量で検索が必要な役所の公文書や図書館では光ディスク化が進むのは確実。


大日本印刷の佐藤取締役は「分厚いカタログはCDlROMに、住宅、中古車販売のような情報誌系はネットワーク情報にシフトする」と見ます。


紙メディアと電子メディアのすみ分けは続きますが、例えば、紙に近い機能を持つディスプレーが開発されれば、電子メディアが占める比率は急伸する可能性があります。


マルチメディア社会へ進む過程で、紙メディアの位置付けがどうなるかは、まだはっきりしません。


グーテンベルクが発明した活版印刷が、本の小型化と眼鏡の普及をきっかけに急速に広がったように、今後の技術開発に左右される要素が多いでしょう。

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